今日は内藤満里子さんが講師を担う、-「和・ろはす」で季節を暮らす- の初回開催日。
方向音痴もさながら思い込みも負けず劣らずの私は、「南陽地区市民館」なら南陽中学校周りにあるだろうと南へ車を走らせました。
ところが、それらしき建物は見当たらず、通りがかりの人に聞いてみれば、実はなんと我が家から西へ徒歩10分余りの草間町!
遅刻しての参加となり、思いのほか大勢の参加者が揃っていて、内藤満里子さんの挨拶も始まっていました。

風呂敷で「包む」ことは日本人の心・・・からはじまって、知恵が豊かな暮らしをもたらし、古いモノを何人かの手に引き継いでいく想い。暮らしの中で、手を使って作ること、奇数にみえる日本人の美意識などなど、とても新鮮で興味深い内容です。

旧暦の5月5日は、西暦6月10日で、節句を祝うお菓子は、西日本はチマキ、東日本は柏餅。
チマキは、クマザサの葉で包み、柏餅はカシワの葉。
縁が白いクマザサは、歌舞伎のクマ取りが由来の名で、カシワの葉は、古い葉と新葉が共に在る時期があって、世代交代するゆえんで、屋敷に植えられていた。
南天の葉は「難を転ずる」との意味で、箱に入れたお菓子に添えていた。

嬉しいことに、お茶の時間も組まれてあって、満里子さんのご実家(鳥取)から受け継がれた器や道具を使ってのお茶時間は、古九谷焼の汲み出しにクロモジのお茶「福木茶」(茶卓を使い忘れてました)、孟宗竹を薄く剥いで縁を曲げた取り皿に、数種から選んだ懐紙を敷いて初鰹をみたての「御菓子所 小松屋」(碧南)のお菓子を、各自で古いお膳にのせていただきました。
おめでたいときのお懐紙は ‟右へずらして折る” ことも、クロモジのお茶も、実は初めての体験であり、クロモジは穏やかな味と香りでした。

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お茶のあと、クロモジの枝を削って黒文字を作りました。
削った木端は、洗って乾燥させてお茶にできるそうで、みなさん包んで持ち帰りです。


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今回から5回にわたって開かれる講座のうち、最初と最後しか参加できないのは残念ですが、お話も、作ることの体験も、お茶時間も、大切にしていきたいことの神髄を感じさせてもらった「和・ろはす」でした。