長いこと温めてきたKちゃんの夢でもある L.p.a(ラ・パレット)は、「2畳でいいから」が、しっかりスペースを確保して、2000年11月にオープン。
「木の温もりを感じさせる北欧のインテリアが好き」とは、ご主人からオーナーでもあるKちゃんへの評。
豊かな感性とセンスの良さで選んだキッチンウェア、リネン、ホームウェア、家具(アンティークもあり)、インテリア雑貨のナチュラルでハイセンスなティストと、 花岡隆さんの器や野村亜矢さんの器、山葡萄の籠といった和もの、柳宗里さんの美しい道具、素敵な暮しやインテリアに関連した本も揃い、 紅茶党には嬉しい、量り売りのフレーバーティも扱っています。
また、そのまま採り入れたくなるようなディスプレイも見逃せませんし、暮し方のエッセンスが漂っているお店です。



シンプルがゆえに目を引くこの建物、実はKちゃんのご主人は建築家です。
1階は店舗と設計事務所、二階の住居は、ワンルームのオープンなLDKに水廻りと主寝室のシンプルな間取りで、 南側のハイサイドライト(少し傾斜させている)から部屋中に光がそそぎ、北側に配置されたキッチンと多目的な用途のキャビネットは、端から端まで続いています。(写真でお見せできないのが残念)
「風と光を部屋の中に導きたい」というコンセプトで、片流れの大きな屋根を支えるブーメラン梁は、連続させることの美しさと、 梁の下面にスライドコンセントや間仕切等を受ける溝を付けて、後々のライフサイクルの変化に対応できるよう設計されているそうです。
また、家族のコミュニケーションを大切にする住いは、実験的な要素も含むとのことで、 お子さんの成長を機に、それぞれの空間を、間仕切壁で設けられていました。

 






“用の美”を兼備えた柳宗里さんの道具もありました。
モデリング(家の模型)に、さりげなく設計事務所のエッセンスが表れています。
北側のピクチャーウィンドウから見えるグリーンを見ていると、まるでキッチンに立っているような気分のコーナーです。

お店はもちろん、建築のことにも興味が尽きない share-gaki。更新直前に原稿の校正でおじゃました際、住宅や店舗を数多く手掛けていらっしゃるご主人に、お話を伺いました。
住宅設計から店舗設計事務所へ、その後上京して建築家・槇文彦氏(槙総合計画事務所)のもとで「幕張メッセ」などの大きなプロジェクトを経て、地元にUターン。 あるクライアントに出会って、住い観が変ったことや、設計に対する想いなど、時間が経つのも忘れて、聞き入りました。
L.p.a(ラ・パレット)は、単なる雑貨屋さんでなく、気軽に立寄って、住いのことや心地良い暮しを相談できる“コミュニティ型ショップ”。 路地裏の小さなお店が、地域にしっかりと根を降ろし、暮しを楽しむ人たちに愛され、活き活きと輝いていたのを感じたひとときでした。
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