粗食屋 月と石    豆茶と統合しました

『月と石』の情報も、バンド及びイヴェント・プロデュースを手掛けているTOMIYASUさんからの情報でした。
それも AMONDANS のオープンと同時期でしたから、 かれこれ3年も経っての取材です。当初は夜だけの営業でしたので、撮影のことを考えて諦めていたのです。
ところが、ランチもしているのに気が付いたのが最近のこと。国道259号線から一本西に入った道路沿いで、毎朝通勤で通っているのに、 仕事で日中通りかかって知った次第で、遅まきながらの取材をさせていただきました。

京都の町屋造りを思わせるお店は、もともとオーナーのご実家で、代々続いた味噌醤油のお店だった所を改装したもの。 厨房とカウンター、それに小さな座卓が3つ置かれた畳座の狭小空間ながら、その醸し出す不雰囲気から伝わってくるものがありました。
それもそのはず、「この人の店舗デザインは必ず流行る」と言われ、今や全国に活躍の場を広げているカリスマ的存在のインテリアデザイナー・神谷利徳氏によるもので、 オーナーとは同級生でありご友人とか!

「月と石」という看板やロゴのデザインは、フォノンデザインさん(share-gaki の名刺も同じ)によるもので、 当初は神谷利徳氏にお店と共に依頼していたのだそうです。 ところが、久しぶりに豊橋に戻ってみると、“サテンドール”跡にカフェ(前のPHONON)がオープンしていた。入ってみると Mac が目についたので話を交したら、グラフィックデザインをしていることが分り、 地元の若いデザイナーに頼みたくなって、ご友人の神谷利徳氏の方を断ったのだそうです。そういえば AMONDANS のロゴなどもフォノンデザインの仕事でした。
オーナーは、岡崎で喫茶とイタリアンの店を5年ほどやっていたそうですが、豊橋での再出発にあたり、「和食」に対しての考えを深め、素材の持っている味を引き出す料理をということで、 素材や調味料(味噌は手作り)にも拘って、スローフードと「粗食」というコンセプトに基いて始めたもの。玄米食も、試行錯誤の中で美味しさを追求されたとか。

さて、玄米に野菜と魚・鶏肉が中心の献立が口コミで広がり、ランチタイムは中年代のご婦人が大半を占めるそうで、夜は20代30代のお客さんが多いとのこと。 この日のランチは、鰤の照焼きにサラダ、大豆とひじきの煮物、いんげん豆の胡麻和え、金平牛蒡、卵焼き、お漬物に玄米御飯とお味噌汁で、主菜は二通りの中から選べるようになっています。
粗食屋『月と石』は、自然素材での仕上としつらえの心地良さ、ノスタルジックなジャズ、ほの暗さに安らぎを感じながらの食時間は、「食文化」をも感じさせてくれます。(2005.1.15)