BOLERO
「ボレロ」



冬季オリンピックが早くも中盤、ソルトレイクシティからの映像に釘付けの私です。
どの競技にも感動させられてしまいますが、特に「氷上の社交ダンス」とも言われるアイスダンスは見逃せません。 テクニックと芸術センスとが採点されるフィギアスケートは、選曲に合わせた振り付けが大きな要素を占めるゆえに、 どんな曲が使われるのかもアイスダンスの楽しみです。

思い出されるのは、1984年のサラエボオリンピックで演じた、イギリスのジェーン・トービル&クリストファー・ディーンの『ボレロ』。 鳥肌が立つほど深い衝撃を受けたものです。
どの時代にも素晴らしいスケーターはいますが、彼らのアイスダンスの優雅さと美しさは、『ボレロ』という曲を通して増幅され、 より感動を与えたのではないでしょうか。
舞踏家イダ・ルビンシュタインの委託で作曲されたというラヴェルの『ボレロ』は、 タン、タタタ、タン、タタタ・・・という単調なリズムで、静かなうねりからドラマチックなうねりへの展開は、 イコール“トービル&ディーン”の舞がセットになって、今でも脳裏に焼きついています。

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