RHAPSODY IN BLUE
「ラプソディ・イン・ブルー」

蒲郡プリンスホテルのひとコマ

1937年夏、脳腫瘍のため38歳の若さでこの世を去った、アメリカの生んだ大作曲家・ジョージガーシュインは、 「ラプソディ・イン・ブルー」「ポギーとベス」「 サマータイム」「パリのアメリカ人」「スワニー」など、 “ジャズとクラシック”の融合ともいえる曲を作り、ジャンルを超えたいろいろな演奏家によって今も演奏され続けています。
ウッディ・アレンの『マンハッタン』では全編、ガーシュインの作品が使われているそうです。

ジョージ・ガーシュインのシンフォニックジャズを、エミール・デオダードが編曲演奏した 「ラプソディ・イン・ブルー」は、当時の音楽界にセンセーションを巻き起こし、 アップテンポのサンバ風のサウンドで、聴くもののハートにがんがん迫ってきます。私は最初に聴いたデオダードが、イコール「ラプソディ・イン・ブルー」でした。

本来はノスタルジックな曲想かと思ったら、NHKの『ときめきインタビュー』(2003/10/30)という番組で、ニューヨーク在住のピアニスト・池宮正信さんのお話が聞こえてきました。

オーケストラと共に「ラプソディ・イン・ブルー」の演奏を続けるにつれ、どんどん重々しくなっていくのに、「なにか違う」と疑問に思った池宮さん。 ジョージ・ガーシュインのことを調べていくうち、『 Piano in jazz band 』というタイトルの原譜に出会い、また、ガーシュイン自信の演奏した録音を聴く機会があって、 ピアノのためのシンフォニックでなく、ラグタイムの延長であったことに、「ラプソディ・イン・ブルー」への思いを新たにしたそうです。

ラグタイムは、映画「スティング」でもお馴染みですが、あの独特の音は、その時代のピアノだからなのかと思っていましたら、 池宮さんのHPで、その楽器についての記載がありましたので、ちょっとご紹介。

スクエア・ピアノについて

“ラヴソディ イン ブルー”のCDの中で使用されたスクエア・ピアノはニューヨーク製の スタインウェイで19世紀後半アメリカで一番大量に生産されました。 一般に広く愛用されていたピアノで、スコット・ジョプリンが子供の頃レッスンを 始めたのもこのスクエア・ピアノでした。 居酒屋Saloon等で1890年代に良く見かけられたこのピアノは、 ラグタイムを最初に奏でた楽器なのです。 アメリカの古い劇場の舞台裏等にホコリにまみれたスクエア・ピアノをみかけます。 チェンバロからピアノの中間にあるフォルテ・ピアノと音や構造が似ており、 デリケートでノスタルジックな音色を持っている幻のアメリカン・ピアノです。 古き、良きアメリカ音楽ラグタイムを弾くには、まさにスクエア・ピアノがピッタリなのです。


ラジオから、池宮さんの「ラプソディ・イン・ブルー」(生演奏!)が聴こえてきました。デオダードとはまた違う素晴らしい演奏に、車中から “ブラボー! ”
来日中の池宮さんは、11月から12月まで全国各地でのコンサートを予定されています。この近くでは12/2(火)に浜松の『天神蔵』で開催。詳しくは下記のサイトからどうぞ。

http://www.ikemiya-masanobu.com/

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