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心肺蘇生法〜普通救命講座より (2005.8.1)
2005.7.25 のdiaryに補足

秋田市消防署の救急救命士たちの救急現場からの声を綴ったサイト、「命の綱」に深く感銘を受けて、 ぜひとも心肺蘇生法を身に付けておきたいと思っていたところへ、「普通救命講習会」の募集があったので、さっそく申し込み、受講してきました。
講習会には、定員近くの老若男女26名の参加者を得て、消防署の会議室で行われ、まずは心肺蘇生法を体得することで、いかに多くの人命を救えるかをビデオで見た後、実技へ。

■「直接圧迫止血法」と「止血帯法」

家庭で、あるいは事故や災害時などで倒れている人を見つけたら、周りの状況(救助活動しやすい場所なのか)と大出血がないかどうかの確認をする。 もし動脈を損傷するような出血があれば、心肺蘇生の前に三角巾などを使った止血法を施す。
動脈を損傷すると、脈拍に合わせてドッドッっと出血する。そのまま心肺蘇生をすると失血死の恐れがあるので、 まずは手拭い(感染症を防ぐため、きれいなもので)のようなもので、傷口をしばらく強めに押える。(あてがった布は取らないこと) まだ血が滲むようならば、上からもう一枚重ねて押える。(直接圧迫止血法)
それでもまだ止らない場合は、傷口よりも上(心臓に近いところ)の、骨が一本だけのところを三角巾などで止血(止血帯法)するが、 あてがった布の上から、三角巾などで緩く縛り、棒(割箸なら3本くらい)を差込んで捻っていく。(結構きつくです)
その時に、三角巾にでも止血を開始した時間を書いておく。30分(が限度)経ったら、一度緩めて血液の流れを促す。そのまま放っておくと、先が壊死するので注意とのこと。
いくら心臓に近いからといっても、頭から出血している場合は、ゆめゆめ首を締めないように、患部を強く押えるだけにしてください・・・と、冗談っぽく言う消防士さん。
止血の手当を行う時は、感染防止の為、直接血液に触れないように注意する。ゴムやビニール袋、買物袋などを利用するのもいい。

■「意識の確認」

次に、「意識の確認!」(ひとつひとつの動作を確実にするために宣言)、倒れている人の両肩を叩きながら、「分りますか?」を、声をだんだん大きくしながら3回繰り返す。 というのは、寝転んでいる酔っぱらいの場合もあるので、いきなり大声というのは避けるんだそうです。
「意識なし!」・・・意識がない場合は、周りに人にも救助を依頼する。
「あなた、救急車に電話してください」(直接指名する方が確実)と手配を頼み、「近くに医者がいたら呼んで来てください」 「ADE(自動体外式除細動器)があったら、持ってきてください」と指示。(ADEをETCなんて言ってしまいそう・・・覚えていられるだろうか・・・と、横文字が不得手な私)

■「循環のサインの確認」

循環のサインのチェックは、まず頭(おでこの辺り)を抑えながら顎を持ち揚げて気道を確保する。
人工呼吸は、相手の鼻を摘み、口をすっぽり覆って、ゆっくり2秒掛けて2回、胸が膨らむかどうかの確認をしながら行う。 そして、「見て(体動)聞いて(咳)感じて(相手の鼻の辺りに自分の耳を近づけて、呼吸を感じ取る)、4・5・6・7・8・9・10(10秒間)」と言いながら、循環のサイン(呼吸・咳・体動があるかどうか)を確認する。
「呼吸・咳・体動なし!」、続いて「心肺蘇生開始!」

■「心臓マッサージと人工呼吸」

心肺蘇生法は、呼吸や心臓が止ることで、脳に酸素が行かなくなって脳細胞が死んでしまうのを防ぐための処置で、 心臓マッサージをする位置は、一番下の肋骨を中指で辿りながら、真中まできたら人差指を添える。(この2本の指の位置は、押してはいけないところ)
その横に、反対の手のひらを乗せ、もう片方の手を重ねて、腕を真直ぐ伸ばしたまま体重をかけて強く(相手が成人の場合)押す。
肋骨を押すことで心臓蘇生を促すもので、人形には機器がセットされていて、荷重が適正かどうかランプが点くようになっていましたが、私たち女性だと結構な力が要りました。

心臓マッサージを1分間に100のリズム(中島みゆきの「地上の星」を例えてました)で、ちゃんと数えながら、15回行う。 そしてまた人工呼吸(2)と心臓マッサージ(15)を4回繰り返したら循環のサインの確認・・・という動作を救急車が来るまで続ける、といった流れでした。

■「AED(自動体外式除細動器)」

最後に、一般の人でも扱えるようになったAED(自動体外式除細動器)の使い方も実習。 豊橋市では、ほとんどの公共施設にAEDを配備しています。
AEDそのものは、電源を入れて、音声による指示通りに扱えばいいようになっていますが、AEDを使用できる傷病者は、8歳以上あるいは体重が25kg以上の場合で、 冷静にかつ慎重な扱いが求められている。

■「カーラーの救命曲線」

心臓停止後約3分で 50%死亡
呼吸停止後約10分で 50%死亡
多量出血30分後で 50%死亡

救急車が到着するまでの約6分間を、「救命の連鎖」(早い通報・早い応急手当・早い救急処置・早い医療処置)が途切れることなく行われるのが重要で、 今回の講習会は、「早い応急手当」に当るものでした。
最後に、法的なことも記しておきます。

-------------------応急手当の実施による法的な責任および感染対策について------------------

応急手当、特に心肺蘇生法などの救命手当は、傷病者の命を救うためのものです。 したがって、あなたが救急現場に居合せたときは、ためらわずに勇気をもって救命手当を実施してください。 その場合、救命手当を試みたことにより、法的な責任をとわれるのではないのかと心配になるかもしれません。

このことについて、例えば、米国の各州には「よきマリア人法」という法律があり、緊急時に市民が進んで勇気を持って善意から行った行為については、 法的な責任は問われないこととされています。
わが国では、これについて直接に定めた法律はありませんが、一般市民が善意で実施した応急手当については、悪意や重大な落ち度がなければ、その結果の責任を法的に問われることはないと考えられています。
事実、わが国においては、現在まで救急手当を行いことによって法的責任を問われた事例はありません。

また、救命手当をおこなうことによる感染問題も心配になるかもしれませんが、現在、救命手当を行うにあたって、感染防止上で問題になるものとしては、 肝炎やHIV/AIDS(ヒト免疫不全ウィルス/エイズ)があります。 これらのウィルスは血液感染しますので、救命手当を行うにあたっては、特に傷病者に出血があったり、救命者の手指・口などに傷がある場合は、 血液に直接触れないようにする(ビニール手袋使用など)ことや、口対口人工呼吸において携帯できる簡易型の 人工呼吸用マスク(一方向弁付古稀呼気吹込み用具・・・講習会参加者には配られました)の使用が奨励されています。 さらに、どうしても感染が心配で、、口対口人工呼吸が出来ない場合には、心臓マッサージだけを行ってもいいのです。

なお、救急現場に居合せたあなたが、例えば救急隊の要請にもとづいて救命手当などを行った際に、あなた自身がけがをしたり、何らかの病気に感染した場合などには、 一定の要件のもとでは災害補償がうけられるしくみがあります(消防法による救急業務に協力した者への災害補償制度。警察官の職務に協力した者に対する災害給付制度)。