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フードオアシス アツミ セミナー

「本物の味と心・安全な食品」がモットーの“スーパーアツミ”が、社員向けに開催しているセミナーに、 アツミと関りのある『さでんかん』さんのご紹介で参加させていただきました。
講師・冨永氏の、歯切れよい語り口に、ぐんぐん惹きつけられ、幅広く専門的な内容であるにも関らず、滲み入るように聞き入りました。
この話を一人でも多くの方に知っていただくことで、食品の安全性や、ほんまもんの味に目覚めるのではと思い、『晒柿』で報告していきます。 ただただ書きとめるだけの拙いレポートではありますが、ご一緒にどうぞ。

「豆腐と酢」 (2006.7.2)

■木綿豆腐と絹豆腐の違いは?

大豆を潰したもの(ご汁)を煮て絞り、豆乳とおからに分ける。
豆乳にニガリを入れて固まりかけたものを、もう一度絞ったものが木綿豆腐で、手間がかかる分、大豆の味がそのまま出る。 豆乳の濃度を、やや濃い目にして凝固材を入れ固めたのが、絹豆腐。
充填豆腐(男前豆腐とも)容器に直接詰める際、手に触れないので日持するが、需要が少ない。
他に、ざる豆腐・寄せ豆腐などがある。

注意! 豆のほとんどは毒を持っているので、生あるいは半生で食さないこと。

■豆の産地・・・国産

国産でよく使われるのがフクユタカという品種で、豆腐が締って美味しい。(温暖な愛知・静岡のは締らない)
大豆のブランドとして、とよまさり・キタムスメ・十勝秋田・ツルノコ(ツルムスメ)・大袖振りなどがあり、 糖度が高い反面、味が締らないので、フククユタカを入れる。(一番糖度が高い大豆は黒豆)

大豆の価格

ビントン(輸入) 60kg 5000円
フクユタカ 60kg 9000円

世界で一番高い豆は、丹波の黒豆。
大豆が高尚したときは、丹波の黒豆一俵(60kg)16万円!の時もあったとか

参考までに、私が味噌作り用に取り寄せたサイト発表の大豆価格です。(2006.5.16現在 新大豆)



特ツルムスメ
 北海道産特等級大粒(3.0)1kg 1000円

とよまさり(写真の豆)
 北海道産1等級大粒(2.8)1kg  850円

オオツル
 滋賀県産1等級大粒 (2.8)1kg  600円

黒大豆
 北海道産特等級大粒(3.0)1kg 1500円

有機大豆
 宮城県産無農薬大粒(3.8)1kg 1400円


■輸入の大豆

中国産は糖度が高いので、安い納豆や味噌に用いられる。
アメリカ産のほとんどは遺伝子組替え大豆。大半は油として使われ、他に豆腐・黄粉・高野豆腐・湯葉・煮豆などに使われる。
輸入の大豆で油を絞った粕・脱脂大豆は、家畜の飼料に使われる(遺伝子組替えだと国内では他の食品に使えない)。 インドは遺伝子組替えの大豆輸入を断ったが、日本では、油のほとんどに遺伝子組替えの表示が無いため、知らずして体に摂り込まれている。
イリノイ州のビントンは、遺伝子組替え大豆ではない。

丸大豆醤油の表示が無いのは、脱脂大豆で作られている。
大豆蛋白は、ハムや練製品などの増量剤として使われている。

■大豆の色

生大豆
黒大豆(皮だけが黒い)・・・独特な香りがある
赤大豆・・・枝豆がいちばん美味しい
青(緑)大豆・・・枝豆は実ってないから緑色だが、この豆は実っても緑色。味噌に使われる。
くらかけ(上半分黒い)・・・長野産

■美味しい豆腐の条件

大豆(豆乳の濃度も)・凝固剤(にがり・塩化ナトリウム)・水
大豆一表(60kg)で、豆腐750丁(豆乳濃度13%が基準)
1100丁作ると、にがりでは固まらない。

■油揚げ

表示のないものは、すべて遺伝子組替えの大豆。 薄揚げは、豆腐からできない。“ごの作り方から違う。
色むらの油揚げは、油が酸化している。

■酢

米酢・・・限りなく米が少ない酢のこと。
酢の多くは、アルコール・コンスターチ(遺伝子組替えのトウモロコシ)・シロップが原料。
「延命酢」はブドウ糖を、「ホワイトビネガー」は、工業用アルコール使用。
遺伝子組替え食品・・・トウモロコシ・菜種・馬鈴薯・大豆

純米酢・・・お酒と同じで、米から作ったものをアルコール8%まで薄めて酢酸菌を混ぜ、静置法(昔からの作り方)で作ったものが良い。
昔からの製法で作られる三州みりん、たまり、味噌、豆みそなど、愛知・三河には食文化が残っている。

■他

焼きミョウバンは添加物である。アルミニウムが入っているので、使わない方がよい。
タコを茹でる時は、ミョウバンではなく岩塩を!
色をよくする為にミョウバンを用いるのはよくない。ほんとうの茄子の漬物は変色するものである。 見せかけの美味しさでなく、ほんとうの味をアピールしていくことが大切。

マヨネーズは、遺伝子組替えの材(卵と油と酢)ばかりである。
自前で作れば、実に安価。卵は、どんな餌を食べているかで決る。生まれたての卵で作ると失敗しない。

油・・・オリーブ油はエキストラバージンオイルを。胡麻油・遺伝子組替えでない菜種油。
シソ油・亜麻仁油は生で摂る。

ヒマワリ油・紅花油は、除草剤(枯葉材)が使われていることが多い。
油は、リン酸、苛性ソーダなどの薬品を使用していることが多い。

油と砂糖は奥が深いので、いずれまた勉強会のテーマに!


追記:
静岡県こだわりの味協同組合理事長であられる冨永氏は、スーパーやマーケットでの勉強会や講演会の講師として活動されている傍ら、 「自然の味」というブランドの、安全で美味しい食品作りにも携っているとか。
そうした啓蒙活動が、消費者にも還元されて食への関心が深まり、双方向のいいネットワークが誕生しているのを感じました。