TALK-TALK タイトル

昔の名前に



“Harada”を名乗って27年余り、使わせてもらって16年経ちましたが、息子たちも成人したし、「社会人」が板にも付いた頃だと思い、旧姓の“Sato”に戻ろうかと考えていました。
ハタから見れば、「なにを今さら」かもしれませんが、ずーっとこの機会を待っていました。

事前に伝えた母も息子たちも、あっさり「いいんじゃない」と。友人も「わたしも変えたいよ」ですって。
もっとも、「もともと “Harada”って響きが、あまり好きじゃなかったの。“Sato”の方が柔かいし、名前を書いたときのバランスもいいのよね」と言うと、「そう嫌わないでよ。私の旧姓なんだから」 とは、“Harada”から“Takemoto”になった、青春時代からの付き合いの友。 お互い、姓ではなく名前で呼び合っていたから、彼女が“Harada”だったことを、その時はすっかり忘れていたのです。
ついでに言うと、エレクトーン講師時代の友人は、“Takemoto”から“Nakajima”になり、また、“suzuki”から“Nakajima”になった友人もいて、友人の間で名前の尻取りをしているみたいでした。
振返ってみると、“Harada”になってからのお付きあいの方が、ほとんどですし、私も “Harada”で呼ばれるのに慣れてしまっているから、 職場もこのまま “Harada”で通そかなと考えました。なんだか「二足のわらじ」気分です。
でも、いろんな手続きのことを考えると、気が重くなります。名義変更するものが山とあるし、印鑑も作らねば・・・あぁ、なんとエネルギーのいることか。

さて、いよいよ改名の手続をと市役所に出向きました。まさか書類一枚で済むとは思っていませんでしたが、「裁判所へ行って下さい」と言われてびっくり。 されど、くじけてはなりません。その足で裁判所に行き、用件を伝えました。
「子どもが成人したから」という理由に、家裁の方も戸惑ったようですが、“そんなことは変更の理由にならない”と知って愕然とした私。 申立てる理由について、妥当かどうかは、自分でなく、家庭裁判所の判事が決定するのだそうです。
なんと無知だったことか。しかも息子が結婚して籍を抜かない限り、息子まで姓が変ってしまうそうなので、あっさり諦め、「息子が結婚したら、また来ます」と言って帰って来ました。 不本意ですが、もう少し“Harada”を使わせてもらいましょ。
ただ、息子がずーっと結婚しなかったら・・・いえ、是が非でもしてもらわなくては。