夏の着物がなかったことから、『閑日堂』さんを訪れて、初めに手にした一枚は生成り色の地に茶の絣模様でした。
全体に小さかったので、洗い張りして仕立て直すということで、さっそく解き始めてくださってるのに、ふと男物の縮みが目に飛び込んできました。
焦げ茶と赤茶にグレーがかった藍が混じった小千谷縮です。もういけません。こういう色に弱いんです。(笑)

「いい着物地だから、なるべく他の布を使わずに仕立て直したいので、一番腕のいい仕立て屋さんにお願いしました」
と、この春、ありがたいお心遣いとともに小千谷縮が届きました。 さっそく羽織ってみたら、なんとしなやかで、ほどよく張りがあって・・・そう、こなれた風合いが、着ると言うよりは纏う感じの小千谷縮。
丁寧な仕立から着継がれていくものへの慈しみが感じられて、幸せな気分に満たされ、夏の着物は、これ一枚あれば充分と思いました。



以前、芭蕉布の帯地を見せていただく機会が有りました。
今はもう手に入れることが難しい貴重な帯(平良敏子さんの手織かもしれません)だから、販売せず保存していくという帯地に、驚くほどの高値がついていました。 高いから、貴重だから欲しいのではなく、茜色の線柄と、その手触りの良さが、深く心に残りました。

それから二年後の沖縄の旅で、おはるさんに引き合わせていただいたHさんと出会い、思いがけず芭蕉布の帯を織っていただきました。
喜如嘉に暮し、芭蕉布を織って11年余り、独立して初めての作品とのことで、抽象的な柄も素材感も大満足!
この夏は、小千谷縮と芭蕉布の帯・・・なんと贅沢な着物そろえでしょ。 網代の草履に、いただきものの麻の鼻緒をすげてもらい、帯締めも探さなくては。

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