真中のポスターに見覚えがありました。今は廃刊になってしまった『ラ・セーヌ』の記事で、布の風合いとともに“まとう服”が記憶に残っていたのです。
酒井真知子さんは、デザイナーの登竜門でもある“全日本ファッション大賞”を受賞されたそうです。小説で言うところの直木賞!といいますから、すごいことなんですね。
婦人服メーカーにいたころは、背中のラインがきれいに見えるようなデザインを心がけていたとか。 後にMACHIKO JAPANというブランドを立ち上げ、お台場で催された『東京コレクション』にも発表されています。 右のアルバムはその時のもので、美しいラインの服と、ノスタルジックな雰囲気が漂う写真に、しばし見とれてしまいました。

岡崎の自宅内アトリエで仕事をし、東京で発表活動を続けてこられ、2000年1月からはコシノヒロコのデザインオフイスでヒロコブランドのデザイナーをしていたそうです。
その間(1年3ヶ月)は週末帰省の単身赴任。ヒロコを辞め1年ほどのブランクの後、昨年4月に再び自分のブランドを復活。 東京を皮切りに碧南、知立、今回の刈谷の『雅趣・kujira』さんでの展示会と、ご活躍していらっしゃいます。
今回の企画展「ときめきの服 よろこびの福」では、一般の方をモデルにショーが行われたそうで、せっかくの機会を見逃してしまったのは残念でなりません。

デザインするうえでの拘りは、自然素材を使い、布の持ち味を生かす服作りと、女性のラインを美しく見せることで、最近はインドで織ったシルクやタッサーシルクも使っているそうです。 NUNOには創作意欲をかきたてる生地があるので、よく使うとのこと。今回は桐生の機やさんに直接注文した、黒とモスグリーンの楊柳の布で作った バリエーション豊かな作品が展示されていました。モスグリーンは大好きな色だそうで、大らかで流れるようなラインのデザイン画にも多く使われていました。

写真の真知子さんが纏っているものと生地違いのに、袖を通させていただきました。広げると一枚の布に手を通す穴が開いているだけなのに、まとったとたん美しいラインに包まれて、いつもとは違う自分を発見。 しかも上下を変えて羽織ると、またまた表情が変るのですから、不思議な魅力を持った服です。平面を立体にするというのは東洋独特のもので、西洋には無い衣文化に、西洋人から賛美されたそうです。
生き方や暮し方で着るものが変るし、ファッションに触発されて、ライフスタイルが変ることもあったりで、人と服の関係って、着飾ることに終始しないんだなぁと思いました。

ファッションへの道を歩むきっかけをお聞きしたら、お母さまも服を作っていらしたそうで、コシノヒロコさんたちと同じ土壌を持ってらしたのですね。
真知子さんの襟元を飾る素敵なアンティークネックレスに、ググッと迫って撮らせていただきましたが、これはお母さまのものとか。

―――――――――酒井真知子さんの服

刈谷のギャラリー 『雅趣・kujira』 にて、4月30日(水曜)まで開催の「ときめきの服 よろこびの福」で、ファッションデザイナーの酒井真知子さんと、お会いしました。
着ていらっしゃる服のシルエットや色が素敵なので、お話を伺いながら写真を撮らせていただきましたが、願い出たものの、私にとってはコンタックスRTSで人物を撮るのは至難の業。 なかなか合わせられないピントに、会話で繋いでいたら、何だか取材のような雰囲気になってしまい、ならばと 『晒柿』に登場していただくことになりました。



夢は、"ヨーロッパでコレクションを開くこと”と、輝く笑顔でお話くださいました。ぜひぜひ実現を!