『小さな森の家』
   吉村順三著
   建築資料研究社

   ¥2400(税込)

まるで絵本のような装丁の、すてきな本です。わくわくしながら頁を繰ると「〜山荘が見えるだろ?」という語りで"小さな森の家"へ招かれます。空中に浮かんでいるような居間から、四季折々の景色を眺めていると、あたかもそこに居るような錯覚に陥り、とっても心がやすらぎます。
自然光で撮ったと思われる、さとうつねおさんの写真がこれまた美しい。いつか本当の山荘を尋ねてみたいのもです。

 『住宅巡礼』
   中村好文著
   新潮社

   ¥2800 (税別)

『CONFORT』に連載されていたもので、ユーモアたっぷりの楽しい文章に、すっかり中村好文さんファンの私。
"20世紀の偉大な建築家"のドローイングや、鋭い観察力で描かれた建物のスケッチが素晴らしく、建築家の多くは絵が上手なことにも気づかされました。
歴史に残る建築家の本は、たくさん出版されていますが、この本がテキストならば、楽しさ倍増ですね
秋深し、今夜は珈琲と『住宅巡礼』片手に、中村好文さんの旅を辿ってみましょ。あなたもご一緒にいかが?


 『芸術新潮』
   2000年9月号
   新潮社

   ¥1200(税込)

【特集 建築家・中村好文と考える"住宅ってなんだろう"】という見出しを新聞で見つけ、即、本屋さんへ!
“住宅に住まう側の視点から、日常の暮らしから、「いい住宅にはどんな要素が必要なんだろう?」と思いを巡らす”とあります。温かく易しい言葉で、 住宅への思いが丹念に綴られ、深く考えさせられたり、じーんときたり、一度に読んでしまうのが勿体無いような気さえするのです。
『レミングハウス』(中村好文さんの事務所名)とはなんぞや?さっそく外来語辞典で調べました。レミング=タビネズミ・・・それでネズミのイラストがあったのだわ。そういえば似てる!


 『家づくりの極意』
   立松久昌編
   建築資料研究社

   ¥2400 (税別)

以前『住宅建築』(1994.6)で見た、動線のいいコンパクトな建物と、建物をとりまく樹木や草花の美しさに、心奪われました。建物も樹木らも共に育ち、まるで林の中に家があるような、すてきな住まい。それが建築家・永田昌民氏の自邸でした。そして「小さな家の設計が好き」という言葉に、安堵感を覚えたものです。「小さな家だからこ広々と」の東久留米の家は、大好きなプランです。
大野正博氏の設計する家もまた、木の温もりがとても心地良さそうな"住んでみたくなる家"。この本に書かれているコンセプトから、お人柄が伝わってきます。
お二人を含めた10人の建築家が設計した家を通して、居心地の良い住まい造りが紹介されています。

 『日曜日の住居学』
   宮脇 壇著
   丸善株式会社

   ¥980

親になると「広々とした家で子供をのびのびと育てたい!」と思うもの。その昔、私もご多分にもれず『モダンリビング』を片手に、あれこれ夢を膨らませたものです。
建築家・宮脇壇氏は、『モダンリビング』で連載を書いておられ、痛快な語り口で綴られる住宅への思いを、また"住居学"というものを、私は『モダンリビング』や、数々の著作本を通して学びました。 マイホームへの夢は今だ叶いませんが、住宅に携わる仕事に就くきっかけとなった、出会いの本です。

数年前に、宮脇壇氏の講演を聴く機会がありましたが、勝手に思い描いていたイメージとはずい分違い、とてもフランクなお方でした。家事をもこなすダンディな建築家・宮脇壇氏は、一昨年惜しくも逝去されました。


CONTENTS
 『住まいとほどよくつきあう』
   宮脇 壇著
   新潮社
   ¥980