『ディニッシュインテリアス』は、デンマークはじめ、北欧の家具やインテリア雑貨を扱うショップです。
食いしん坊の私は、“デニッシュ”という言葉から、たっぷりのバターで焼いたパンを連想しましたが(笑)、 「Danish」デニッシュとは、「デンマークの」「デンマーク人の」の意味で、 「Japanese」日本の・・・と同様の言葉なんだそうです。

オーナーの濱崎さんは、東京の、北欧の家具とイタリアのタイルなどを扱う商社にいた頃、営業として来ていたデンマーク人と出逢ったのが縁で、 北欧の家具などを扱う会社を共同で設立。7年ほど前に、ショールームを開設されました。
恩地町に移転した現在のショールームは、倉庫だったところを、スタッフとともにDIY!
「フローリングをぴったり張ったから、夏になると一部が膨らんで盛り上がるのです」と、にこやかに仰っいます。愛着が湧くのでしょうね。

入口から正面に見える木の椅子群(写真上)は、美術館のオブジェをイメージしたディスプレイとのことで、 ともすると家具を置いただけになってしまいがちな空間を、アイデアとセンスの良さで、絵になる景色を創りだしていました。

北欧の家具というと、木の優しい質感を生かした丸みのあるデザインと、素材の良さ、シックなアースカラーを思い浮かべます。
また、ハンス・J・ウェグナーの、Yチェアやセブンチェアなどは、日本の家庭やお店でも多く愛され、目にすることの多い椅子です。
ナチュラルな風合いと、安らぎや和みを感じさせるデザインは、時を経て、今なお受け継がれ、世界中の人から愛されています。
また、家具のほかに、ムーミングッズやイッタラの食器、揺らぎ効果のフレンステッドモビール、クリスマスグッズも揃い、気の利いたプレゼント選びが楽しくなりそうです。





「北欧は、日本と同じように資源を持たない国なので、技術者をということで、国をあげて家具作りの職人を育てたのです。
カンファレンスチェアは、イギリスの椅子がモデルで、極限まで装飾を削ぎ落としたディテールになり、 Yチェアやチャイニーズチェアは、背から肘の辺りまで、くるりと回っている中国の椅子から。 また、家具のデザインは、その国の文化や気候、気質がデザインに影響を与え、 イタリアは、家の中よりは外に出ることが多いので、ひと目見てインパクトのあるデザインを好み、 寒い北欧では、家の中の団欒やホームパーティが日常的ゆえに、飽くことの無い、自己主張しすぎない家具が求められている」

などなど、北欧の家具の話になると止まらなくなってしまうと仰る濱崎さん。
建築やインテリアに携わる仕事をしていながら、浅く狭くの私にとっては、なんとも嬉しいレクチャーでした。

「映画の“かもめ食堂”で観た、まぁるいガラスセードのペンダントを探しているんですよ」
そう言うと、
「カモメ食堂へ行ってきましたよ」
「えっ、あのフィンランドでですか!」
用意してくださったカタログに、ありました!
ルイスポールセンのTOLDBODで、ショールームにやってきたのは、60Wの小さい方です。

『デニッシュインテリアス』では、エントランスでスリッパに履き替えます。
家庭のリビングやダイニングと同じレベルでの使用感を体験するためですが、ソファに座りついでに寛いでしまったり、ロッキングチェアで揺れながら、読書やうたた寝?もできたり。
小さな子供たちが、ぽんぽん飛び跳ねても平気ですし、なんと、同伴の愛犬までも遊びだすこともあるとか。
スタッフの皆さんの、あたたかい眼差しと応対、おだやかな空気に包まれたショールームは、これまでの家具ショップの概念を払拭する、滞在型のショップでした。