TALK-TALK タイトル
松田育三氏講演会 「病は天からのメッセージ」

2004年9月8日 名古屋厚生年金会館

「今の医学で、病気は治りません!」

松田先生の開口一番のお言葉、以外にも会場から驚きの声が聞えません。
それもそのはず、友人に誘われて参加したこの日のセミナーは、プルーンでお馴染みの MIKI 主催で、「食」に関心の深い会員さんばかりだったからです。

「これは私個人の考えですけどな」 と、まるで漫才でも聞いてるような関西弁のお話が続きます。

「私の兄貴もな、医者やったんや。その兄貴がガンになってもうた時、“放射線と抗がん剤治療とで、徹底的にガン細胞を殺した”と言ったんや。 こりゃいかんと思うたけど、医者やから聞き入れやしません。そやから、じきに死んでもうた」
「“ガンを殺す”ということは、健康な細胞も殺してしまうということなんや」
「その何年か後に、こんどは姉がガンで入院してな、姉は医者じゃぁなかったんで、治療を止めさせて退院させた。だから18年後の今も、ごっつう元気や」

ゲルソン療法も、安保徹先生も、福田稔先生も、同じことをおっしゃっています。 西洋医学に希望が持てないことに気付いた、お医者さんたちの共通した考え方なんですね。

健康の条件とは

その1 「食について」

「会場のみんなは勉強しはってるから、いまさら言わんでも分ってると思うが、人間の食事に肉や牛乳はいりません!」
「牛を見てみ。あのでかい体で、草しか食べよらへん」

そっか、牛も草食ねぇ・・・と、妙に納得の私は、丑年のベジタリアン。

「それに骨粗しょう症を防ぐのに牛乳を飲めなんてのは、大間違いや。牛乳を飲んだかて、カルシウムが摂れるわけない。人は草食がいいんや、体がそうできてるんや」

牛乳を飲んだかて・・・に関しては、今読んでいる安保氏の本にも書かれていましたので、いずれまた紹介しましょうね。

「“塩分を控える”というのも間違いやで。人は海から上がってきたから塩分が必要なんや。ただ塩化ナトリウムはだめや、天然の塩を摂らなあかんで」
「赤ちゃんを育てるんに母乳と言われてきたけど、今の日本の平均的母乳は、ダイオキシンに汚染されているから、危ない。飲ましたらいかんで」
「中国へ視察に行ったが、ウーロン茶はDDTが散布されてるし、中国野菜も農薬漬けや。食の安全意識が薄いから、中国野菜は摂ったら危いで」

母乳と中国野菜のことは、聞きかじっていましたが、ウーロン茶には考えが及びませんでした。 アルコールに弱いので、そういう場ではウーロン茶を飲んでいましたが、これは大変。

その2 「体は鍛えない」

「運動選手は体を鍛えるから短命なんやな。だからって動かん方がええとちゃうで。健康の為の運動はやな、ウロウロするのが一番よろしい。 そやから私もこうして、ウロウロ歩き回ってるんや」(爆笑)

哺乳類が一生の間に打つ脈拍数は、種が異なってもほぼ同じだ・・・という、“象の時間 ネズミの時間”というのを思い出しました。 我家の猫たちも、人間の4倍位の速さで人生を過しているから、心拍数が多い。一日中寝ているような気がするのも、ひょっとしたら体を鍛えないようにしてるのかも。

その3 「心」

「病気になったとき、専門家(専門医)ちゅうんは、そこしか診いへんからあかんのや。病気の要因はいろいろなんやから、症状だけ診て対処療法しとったら治らへん。 そやから広く人間を診る医者を探さなあかんで」

大病院と言われるほど、そのきらいありですね。どの医者にかかるかが、いちばん難しいと実感のこの頃です。

「物理が好きでな、数字が好きなんや。物質をどんどん小そうしていったその極限は、“素粒子”といってな、 その先は“波動”ちゅううエネルギーになるんや」

「色即是空(しきそくぜーくう・・・般若心経の中の言葉) すなわち心や」
「生命に心があるのはなぜ?・・・無数の素粒子がシンクロしてるのが心」
「東洋医学では、素粒子を“気”というてな、“気”のグループ(経絡・・・ツボ)があって、気が溢れてる状態をオーラというんや。 友達同士ならオーラ(気)が合うと言うし、相手のオーラに入ることを、「気に入った」というやろ」

物理が苦手で、数字も大の苦手の私は、素粒子論に、?が点滅していましたが、“気”の話になって、がぜん興味が湧きました。東洋医学にも関心が大です。

「心はな、理性と感情とで成立ってるんや」
「理性・・・大人は理屈ばっかり教えてるから、子どもがだめになるんや」
「感情は本能でな、この積み重ねが性格になるんや。赤ちゃんやから、分らんやろとほっといたらあかん。赤ちゃんの時からの働きかけが、ほんま大切や」
「教育熱心は、子どもへの否定でばっかりで、好奇心の芽を摘んでしまうがな」
「欠点直しはしたらあかん。良くも悪くもイメージ通りになるからな、“自分がいちばん!”と思うのが良ろし」

とうに子育ては終ってしまったけど、振り返れば思い当る節有り。

「“無為自然”・・・人間は大自然に向けて、何もしないのが良ろし。その反対は、“有為”つまり努力はいらない」

「人はなんで死を恐れるんか。全てが消えると思うとるが、死は体から心が離れること、すなわち波動になることや。 いろんなことがあっても、全て人生の“景色”なんや。肉体を通して“夢”をみているだけや」

肉体を通して“夢”をみているだけ・・・の言葉が、こだまのように響きました。
“幽体離脱”とか、浄土の話にも及び、阪神大震災の朝、再三夢に出てきた祖父のおかげで命拾いをしたという人の例で、“守護霊の存在”もあるのだとの話に、 友人も私も、「出てきて欲しいねぇ」と顔を見合わせて、お互い亡くした母を思い浮べたのであります。

「みぃんな素適な人生求めて右往左往してるがな、“素適”があるとちゃうで。素適に生きてる人がいるだけや。 人生、無駄ばかりでもな、その流れに素直に乗ることや」

ガン患者さんの心のケアをライフワークとし、相談を受けると、時には出かけて行ってお話をされるのだそうです。それも、無報酬で!  「患者さんが喜んでくれるのが生甲斐や、元気でいられるんや」と。
ガンを克服した二つの例をとり挙げて、「病は天からのメッセージである。それまでの生き方を見直すときであり、 その後の生き方で、病院では治せない病を治すことができる」と、力強くおっしゃって、講演を終えました。

ユーモアたっぷりのお話に、会場は笑いの渦に包まれ、“気”が溢れていました。毎日とは言わないでも、こんな楽しいお話を聞いていたら、 病を寄せつけないのではと思ったほどです。
一時間半の講演も、文字にすると、たったこれだけになってしまいましたが、興味のある方は、著書も出されていますので、どうぞご一読を。

 

【 松田育三氏のプロフィール 】

1937年大阪生れ。京都府立医大卒業。消化器内科専攻。医学博士。 松下電器健康管理センター、国鉄大阪保健管理所主任医長。(財)日本予防医学協会理事長等を経て労働衛生コンサルタント松田事務所(1983)松田メディカルを開設(1986)。 人間の健康管理を心身両面よりみることを重視し、心身医学の立場から、職場の産業医、委託医として独自の健康管理を展開し、公園でも活躍している。 労働衛生コンサルタント、日本消化器集団検診学会・胃集検認定医、日本産業衛生学会評議員。   著書:『イライラ・クヨクヨを吹き飛ばす』『病は天からのメッセージ』