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『雅趣・kujira』は、大正時代の古い和風の建物とお聞きして、楽しみにしていましたが、入母屋屋根の平家に足を踏み入れてびっくり。 漆塗りの柱と蒔絵・象嵌の施された漆天井はじめ、金箔入り拭き漆の欄間の飾りや無双窓、床の間の造り、建具の引き手など、趣向と技がとっても素晴らしいのです。
ガラス工芸家であり、主宰者でもある長谷川雅昭氏が、『雅趣・kujira』をはじめるにあたって、住む人もなく荒れた築90年の古い住宅を、 「玄関・トイレ・厨房以外は手を加えず、あるものを活かして使う」という条件でお借りし、埃やカビを丹念に落し、磨いて現れた漆塗りの蒔絵天井等に驚かれたといいます。
当時は離れとして造られたそうで、先人の“住い”に対する美意識の高さが伺われる数奇屋建築が、『kujira』によって、再び甦りました。 そして、お茶のテーブルや椅子も、障子越しの光の中で美しく馴染んでいます。

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