TALK-TALK タイトル  
フードオアシス アツミ セミナー

「パンと油」 (2006.11.7)

■やわかいパンがお好き?

「ご自分でパンを焼いたことがある人は知ってると思いますが、添加物を外すと、こんな味。 3日くらいでバサバサするのは当り前だし、カビもね。1週間経ってもやわらかいパンは、“パンみたいな”ものである。」

冒頭のお話で、頷く参加者が少なくなかったということは、パン作りに取り組んでいる人が、けっこう多いようです。 この日、参加者に配られた試食のパンは、「自然の味」のもので、あらためて成分表を見ました。


小麦粉の成分のひとつにグルテンという蛋白質がある。 水の中に小麦粉を入れてかき混ぜたとき、溶けないで残ったのがグルテンで、「麩」にもなる。(京麩は米粉を足している)
グルテンが12%を超えると強力粉 ⇒ 立ち上がる力が強いのでパン・・・特に食パンに向いている
8%以下だと薄力粉 ⇒ 天婦羅やケーキ向き
その中間が中力粉 ⇒ うどん・・・昔は、うどん粉と言っていた

値段は、薄力粉→中力粉→強力粉と上がっていき、品種の良い北海道産の「春よ来い」は高価。 この辺りだと、農林61号の静岡・愛知産がある。
市場での国産小麦粉のパンは、ほとんど手に入らず、たいていが輸入(カナダ・アメリカ)である。
○マ○○パンの港での保管状態を見たら、二度と食べられなくなるだろう。 小麦粉の話をしたら、とても時間が足りないので、またの機会に。

イーストフード(シュウ酸カリウムなど、アンモニア系を使っている)は、まともなパンには入っていない。
添加物 VC・VE(着色料)・VB1の表示に騙されてしまうが、VCは自然界にあるビタミンCではない。
天然酵母の種類はたくさんあり、イーストはそのひとつで、「天然酵母のパン」は何種類もの酵母が入っているということ。
きび砂糖は少し色がつくけれど、ビートグラニューを使うと、真白なパンができる。

フードオ アシス アツミでは、北海道産の「春よ来い」「ホクシン」などを使い、有機砂糖(きび)とオーガニックレーズスンの酵母で食パンを検討中とのこと。
講師・冨永氏の「どこのを?」の質問に答える社員さんの、歯切れのよいキャッチボールに、清々しさを感じました。
きっと美味しいパンができることでしょう。デビューが楽しみです。


 パンとトンキーのボンレスハムが お店に登場!(2006.12)

■油と、知られざる「特保」

油には、動物性(固まる)と植物性がある。
植物油の原料には、菜種・大豆・綿実・コーン・オリーブ・胡麻・シソ・亜麻仁・サフラワー・ひまわり・パームがあり、 油を作るのには「搾油」(菜種・綿実・オリーブ・胡麻・サフラワー)と「溶出」(ノルマルヘキサンを使っている)がある。
一番絞りというのは搾油で、ノルマルヘキサンが使われていない。
油分の多いものは搾油し、絞った後も溶出する。世界で一番多いのは大豆油で、菜種(日本)・パーム・綿実と続く。
パームは常温でも固まる。小麦と油は混ざらないが、固体だと混ざるので、パームは菓子などに使われる。
発ガン性物質のBHA(表示がいらないので気がつかない)を、日本のものには使われていないが、輸入の菓子には入っている。 子供たちが食べることを考えると怖い。遺伝子組替コーンから作る水飴も、子どもへの影響が心配である。

油の原料の中で、大豆・菜種・綿実・コーンは遺伝子組替(表示がいらない)の輸入品で、 エ○ナ(菜種)は、特保(※)の指定を受けている。
輸入国のアメリカでは、黒人やエスパニックの居住地域スーパーにはあっても、アングロサクソン(白人)が利用するスーパーに、遺伝子組替えの商品は置いていない! ヨーロッパでもインドでも、遺伝子組替商品は認可されてい。
なのに日本(自動車の輸出と引換えに)と韓国は受け容れている。なぜ?
遺伝子組替えの人体への影響は、長い年月(100年あるいは200年)を経なければ分らないのに、人体実験ともいえる政策が、「特保」という名で覆い隠されている?

いやー、もうびっくりです。星野仁彦さんの「ガンと闘う医師のゲルソン療法」以来、胡麻油かオリーブオイルしか使っていませんし、遺伝子組替商品は避けていましたが、 その割に「特保」(特保飲料など、たくさん出回っているんですね)という言葉は初耳でした。
特保の申請には相当の費用がかかるそうですが、認定を受けると、その十数倍もの収益があるとのこと。 その中に遺伝子組替え商品があるのが不思議でなりません。あれほど狂牛病で頑張った国がです。



※特定保健用食品とは?

特定保健用食品とは「食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、 その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品」をいう。
栄養改善法 第12条第1項に基づき、厚生大臣の許可を受けなければならないものとして、 平成3年9月1日からスタ−ト。現在では健康増進法に基づき運用されている。
特定保健用食品は身体の生理学的機能等に影響を与える保健機能成分を含んでおり、 血圧、血中のコレステロール、お腹の調子などが気になる方が、 健康の維持増進や特定の保健の用途のために利用する食品。

特保マーク

保健の効果を表示する場合には、国において個別に生理的機能や特定の保健機能を示す有効性や安全性等に関する科学的根拠に関する審査を受け、 許可を受けることが必要(健康増進法第26条)。
許可されたものには、厚生労働大臣の許可証票がつけられている。


「油の種類」

オリーブオイル・・・エキストラバージン(香りが残る)とピュアがある。体にいいのはエキストラバージン。 オリーブ・亜麻仁・エゴマ(黒シソ)・シソ・・・酸化しやすいので箱に入っている。保管に注意。
キャノーラ油は、菜種油の特有成分エルシン酸が心臓病に良くないので品種改良したものだが、油本来が持っていない成分になっている。
リセッタ・・・中鎖脂肪酸(ヤシ油・石鹸の主流)は、自然界にないものを人為的に作ったもの。

ここで化学記号が登場
C−18=0 ステアリン酸(基本)
C−18=3 アルファリノレン酸→体の中に入って変化する→DHA・EPA(魚の油)
油は、リノール酸とリノレン酸があり、日本人は昔から魚でリノレン酸を摂ってきた。

卵黄レシチンを使った代表的なものがマーガリンで、バターの代替品として生まれ化学合成されたアブラ。
○○ネ○ソ○トは、大量の水と乳化剤を加えて作ったマーガリンみたいなもの。

・・・3.4年前まで、朝食はパン(時にはパンメーカーのも)で、しかもマーガリンを使っていたし、マヨネーズもサラダ油も常備品でしたから、 食品の裏話を聞くにつけ、背筋が寒くなるような思いでした。
生協で購入してるからとか、添加物のないものを選択していたつもりでも、振り返てみれば恐ろしい食生活をしていたものです。 もっと知りたいと思い、マーガリンについての記述を検索で拾い出してみました。それを読むと、買わなければ良いという問題ではなさそうです。

水素添加脂肪の代表であるマーガリンは、常温に放置しても長時間カビも生えないし、虫などにも食べられることがないものです。 つまり、もはや食品と呼べないものと判断しても良いのではないでしょうか。
マーガリンは自然に存在しない脂肪酸(トランス型脂肪酸)。 クローン病の原因で旧西ドイツでは製造禁止。デンマーク、オランダでは発売禁止。 ドイツでも規制があり、多くの先進国では、「毒物」として扱われています。
日本で野ざらしにされているのは、厚生労働省がなぜか危険だと認めていないからです。

油を「溶出」する際に使われるノルマルヘキサンですが、それを使っていないメーカーが「ノルマルヘキサンを使用していません」と表示したところ、油脂協会から圧力が掛ったとのこと。
9月のセミナーでも、油缶以外の缶詰に使われているビスフェノールA(酸化防止剤)を減らした表示で、缶詰メーカーの○ゴ○モから圧力が掛り、表示をなくしたとの話が出ましたが、 力の論理が政治のみならず、産業や経済をも動かしている国なんだなぁと、あらためて思い知りました。

遺伝子組替えの大豆などから油を絞った粕は、家畜の餌になり、肉や牛乳として、やがて人間の口に入ってくる。
大豆の粕から作る醤油は、遺伝子組替えの表示をしなければならないので、インドから粕を輸入している。

遺伝子組替えで儲かるのは誰か?・・・モンサント等の農薬会社
本来自然界では絶対起りえない動物と植物の遺伝子を組合わせるという方法は、品質改良とは次元が違う!


■ここからは質疑応答からの抜粋です。おもに社員さんからで、とても熱心でした。

「麦芽パウダーはどんなもの?」
・・・旨味成分としてつかっている。

「油の容器について」
・・・「自然の味」の油容器は、会員さんがペットボトルを嫌うから、扱いが大変でも、缶(リサイクルできる)を使っている。 ペットボトルの方が軽いし、値段も下がるのだが、一人でも反対があると、組合マークがつけられない。

「臭素酸カリウム(しゅうそさんカリウム)」
・・・ン生地改良剤として用いられてきたが、発ガン性があるため自主的にやめていたが、○マ○○パンだけが使っている。 100均で売られている素麺にも使われている。

「グレープシードオイルは?」
・・・ワインを作る時に残った種で作った(搾った)オイルで、なかり良い油(サラッとしている)。アルファリノレンは、ほとんどない。 ひまわり・紅花〜栽培の最後に、枯葉剤を使っている。

「砂糖について(」いずれテーマとして扱う)
ビート(ビート大根)〜国産
きび糖〜沖縄
和三盆〜徳島・・・竹しょう、さとうきびの原種で、世界で一番高い砂糖
上白糖〜日本にしかないもので、「日本の常識・世界の非常識」のひとつ(牛乳も!)



講師の、気をそらさない話に参加者の集中力も高く、熱気に包まれたセミナーは、あっという間の2時間でした。
次回は、来年1月16日(火)PM7:00〜9:00 、 会場は『アイプラザ豊橋(旧豊橋勤労会館)』です。
一般も参加できるようになりましたので、ぜひ!