暮らしの愛着道具 Vol.01
「籐の安楽椅子」
自分への還暦祝いに

晒柿・暮らしの愛着道具
2009.5.7

何十年も会社勤めをして定年を迎えた方なら、退職金で家を建てたり、住宅ローン返済といった人生最大の出費、あるいは堅実に老後に備えて蓄えるという選択肢があるのでしょうね。

私の場合は、女性でもって17年余りの勤続年数でしたから、身の丈ほどの中から、年金が支払われるまでの繋ぎ(結局3ヶ月も・・・これは計算外でした)、退職後と今後2年間の税金(思いのほか多い!)、年金では買えない道具補充の他に、下吉田の「KUWA HOUSE」の家賃1年分と、小さな旅でもできれば嬉しいなと考えていました。
そして、もし、もしまだ余裕があったならば、念願の“籐の安楽椅子”をとも。

一ヶ月前に入った退職金が、ちょうど必要なだけ・・・私の場合は老後の蓄えが選択肢に入っていないため・・・それも籐の椅子の分まであったので、思わずにんまり。
自分へのご褒美に、即、椅子を注文したのは言うまでもありません。

籐の安楽椅子-1
楽しみにしていた籐の安楽椅子が、約一ヵ月後の昨日、届きました。
嬉しくて、やりかけの洗いものを終えてから、ゆっくり梱包を解きました。

見るまではドキドキだった背取りの籐が、思い描いていたよりも渋く、部屋の雰囲気に溶け込んで、いっぺんに気に入りました。

(焦げ茶色にオーダーの背取りの籐)
ハイバックが頭を、座の窪みが、お尻をふんわり支えてくれます。
窓辺で本を読んだり、お茶やうたた寝も、ここで。冬の寒い朝や夜は、ストーブの前に置いて、猫たちと一緒に暖をとるのです。
籐なら、軽々と移動できます。
さっそく、目ざといチビがベッドに!
猫たちの爪とぎ椅子にならぬよう、しばらくは座布団を使いましょ。

籐の安楽椅子-2

出来上がったばかりの張りと艶が、愛着とともに体に馴染むのを楽しみに、至福のときを味わっています。
これから先、寿命が尽きるまで、出来れば、この椅子で眠るように人生を終えられたらいいなと思いつつ・・・

(追記)
雑誌で見た情報を記していた手帳の1ページに、「田中栄八商店・籐の椅子」と記していました。
一度書き換えているので、1999年の情報です。
この時の「いつか・・・」を、長き空白状態から突然思い出したのは、今が必要とする時期だったのでしょう。

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