暮らしの愛着道具 Vol.08
「古い丸椅子」

晒柿・暮らしの愛着道具
2009.9.24

すでに半世紀近くを過ごしてきたのではないかと思われる丸椅子。
二世帯住宅へと引っ越されたお母さまの古家から、和裁の断ち台とともに我が家にやってきた、ミシンの椅子でした。
古家の次の住人が決まった折、要らない家具のチェックに立ち会った時には無かった丸椅子が、それから数ヵ月後の搬出の時に、ひょっこり現れたのです。
担当の営業さんに声を掛けていただいたおかげと、出会うべく縁!
お色直しして、花台にしたり、キッチンで鍋置きになったり、来客時に4脚のダイニングチェアが足りなくなったときのスペアチェアとして大活躍です。
いつの日かまた、私から誰かへと継がれるであろう丸椅子は、いろんな人の人生とともに、その時々の役割を担っていくのでしょうね。

この椅子の相棒でもあったミシンの方は、『カフェ爾今』へ継がれていきました。
つい先日、譲っていただいたお母さまと、お施主のSさんご夫妻が、ミシンに会いに行かれたそうで、その話を聞いて、私も嬉しくなりました。

打ち合わせで訪問すると、必ず 「ね、上がっていって」と、笑顔で招き入れてくださったSさんと、植物を育てるのが大好きなお母さま。
最後におじゃましたのは昨年末でしたが、その情景が、昨日のことのように蘇りました。

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