暮らしの愛着道具 Vol.39
「炊飯器と圧力鍋」

晒柿・暮らしの愛着道具
2001.11.11
60年代に発売されたナショナル電気炊飯器SR-6Fは、炊き上がると自動的にスイッチが切れるもので、 菊池禮のデザイン。写真のSR-03F(1合半用)はそのバージョンです。

直径15cm・高さ15cm、シンプルさが気に入って買ったSR-03Fの、まるでオモチャみたいな可愛いらしさに、 購入したばかりの時は「大丈夫かしら?」と不安になりましたが、これがなかなかの優れもの。 カタカタと蓋を踊らせながら、ちゃんと美味しく炊けるものだから、思わず笑ってしまいました。

遠赤外線だの二重釜だのと、炊飯器ごときに数万円するものも登場している中で、炊飯器の原点とも言えるシンプルなこの炊飯器は、 ただ炊くのみで便利そうな機能や保温はありません。
蓋だって薄いステンレスで、どうしてこれでいいんだろう?と不思議ですが、 スイッチが切れてから蒸らしの時間を見計らえば、充分に美味しいのです。
来春から一人暮らしを始める長男に、この炊飯器を就職祝いにと考えています。

(追)息子に譲った炊飯器は帰省とともに戻り、その後のガレージセールで知人に譲りました。

「玄米と圧力鍋」2010.02.01

定年退職を機に、それまでおざなりにしていた「食と健康」に対しての意識を持とうということで、 玄米食に切り替えました。
その流れで、私でも美味しく炊ける道具を、それも一日に一合、多くても二合しか炊かないので、 できれば小さめの圧力鍋という基準で、シラルガン社の圧力鍋の三合炊きタイプを選びました。

好みの炊き加減にたどり着くまでは試行錯誤でしたが、圧力鍋を使い始めて一年の今、 水に2.3日浸けた発芽玄米を、控えめの水加減で炊く・・・というやり方に落ち着きました。
玄米の場合はレベル2でセットし、圧が上がったら弱火で20分、火を止めて10分の炊き方です。
息子の帰省時は、7分づきの胚芽米にしますが、圧が上がってから弱火で3分、蒸らし10分の短時間で炊けてしまうのには、びっくりでした。

玄米に小豆を入れたり黒米も足したりで、玄米食そのものも体に馴染み、体調もよくなりました。
炊飯のほかに、煮豆で使うくらいですが、ストーブでない季節は、短時間で済む圧力鍋のおかげで、焦がすことがなくなりました。
この先もっと年老いたとき、圧力鍋の重さが耐えれるかどうか分かりませんが、遅まきながら出会った道具と、長く付き合いたいものです。

(追)現在は玄米から雑穀米入りの分つき米にして、土鍋で炊いています。

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