安倍政権を憂う一人ながら、ここでは発信しないようにしてたけど、あえて公示前に一言。

森友・加計問題で、野党側からの臨時国会開催の要請を受け流しておきながら、9月の臨時国会が開かれたと思ったら、所信表明もないままいきなり「国難突破解散」宣言。

北朝鮮のミサイル標的は米国が目的であって、日本の領域を侵犯してもないのにJアラートなどの過剰反応は、かえって違和感を覚え、とって付けたような消費税の使い道を変えたり(消費税を8%にしたことからデフレ脱却ならず経済低迷。多くの経済学者が引き下げを提案している)、民主党や野党の足並みが揃わないうちにのタイミングを見計らっての解散選挙は、「ボク難突破解散」とか、「森友・加計無かったことにしてね解散」と比喩されるゆえんです。
姑息な感じさえしましたが、安倍政権の暴走を止めるチャンスなのだと思えば、待ってましたの解散選挙です。

続いて民進党の代表選で党代表になった前原氏の、党を解体して希望の党へには驚きましたが、なんと自由党も合流。

安倍政権の、特定秘密保護法、安保法、共謀罪法、憲法9条改憲などに危機感を抱くも、その代わりを担う政党がないと言われていました。
自民党に過半数を取らせないためにも、野党が一致団結(一選挙区で野党を当選させるための調整)するしかなく、それに向けて小沢一郎氏も動いていたようですが、結局まとまらず、安倍政権を続けさせないための苦渋の選択だったそうです。

自由党の定例記者会見は、フリーの記者も参加していて、質疑応答の内容が濃く、動画は欠かさず視聴していましたが、希望の党へ合流が決まったときの、自由党の共同代表で参議院議員・山本太郎さんの会見では、小沢一郎氏を親方と呼び、信頼してただけに、党も政治家も信頼しない方がいいと言う太郎さんの表情から、喪失感と無念さが伝わってきました。
自由党の隠れサポーターだった一人として、なんとも複雑な心境です。
無所属では力が出しきれないことも味わっただけに、今回の選挙に太郎さんは出ないことを決めたそうです。それでも、希望の党へはいかず、「(玉城)デニーさんが無所属になるということは、私一人いなくなると、政党要件を満たせなくなるので自由党に残る」といい、連日、街頭演説を続けていて、Twitter で発信されています。

民進党への票が危ぶまれていただけに、希望の党へ合流した前原議員へのバッシング、もとは民進党なのに、無所属で立候補を選択した議員や、希望の党への移党を拒否された枝野議員の新党立ち上げに、同情支持?が集まるのは、いかにも日本人らしいなぁと思いました。

それにしても、希望の党への執拗なバッシングツィートや動画が流れていることに、へそ曲がりな私ゆえ、違和感を覚えます。
「安倍自公政権の暴走を、これ以上許さない」ということを掲げながらも、野党同士のネガティブキャンペーンに、せっかくの解散選挙の意義が霞んでしまうのではと危惧しています。

加計学園について、かなり突っ込んだ質問などが出た「党首討論会@日本記者クラブ」は必見!
https://www.youtube.com/watch?v=NL1Jitt2Zhk

 

「国難」、自作自演の危機に違和感 半藤一利さんに聞く (朝日新聞より)

http://www.asahi.com/articles/ASK9Y04LWK9XUEHF01J.html

 衆議院が28日、解散されました。安倍晋三首相自らが、「国難」と強調するなかで、有権者は政権選択を迫られることになります。いまは本当に「国難」なのでしょうか。今回の選挙はどういう意味を持つのでしょうか。昭和史を見つめてきた半藤一利さんに聞きます。

特集:2017衆院選
衆院の解散って…そもそも何? 1回600億円の「ビッグイベント」

 ――半藤さんは昭和を中心に日本の近代史を深く見てきました。そうした歴史的な視点から見て、今回の解散、総選挙の意味をどう考えますか。

 「これからの日本の針路が戦争と平和のどちらを主軸に進むのかを左右する、極めて重要な選挙だと思います。岐路に立つ日本で、冷静な議論が求められるときに、安倍さんが今回、『国難突破解散』とおっしゃって危機感ばかりをあおっていることに強い違和感を覚えます。国難といって現在、最大の問題は北朝鮮情勢でしょうが、これはご自分がつくっていませんか、自作自演の危機ではないか、と申し上げたい。安倍さんは国連総会で、今は対話の時でなく圧力をかけるべき時だと述べてきましたが、それでは危機を高めるばかりです」

 「昭和史で似たようなケースがありました。日中戦争が始まった後、ドイツが間に入って和平工作を手がけました。まとまりかけたのですが、現地軍がこれを無視して進撃を続けて当時の首都南京を陥落させてしまう。和平の条件をつり上げて中国国民党を率いていた蔣介石を怒らせてしまう。この時、近衛文麿首相が『蔣介石政権を対手にせず』と言い放ち、解決は遠のきました。結局、戦争は泥沼化していきます。このように和平の結実は実に微妙なものです。それを勇ましい言葉で台無しにした歴史の戒めを思い起こします」

 ――現在の北朝鮮情勢の中で、日本ができることがありますか。

 「不幸な経験ですが、日本には対立が不毛な結果しか招かなかったという痛みの過去がある。また唯一の被爆国として、核戦争の悲惨さを米国、北朝鮮両国に言って聞かせられる資格もある。それらを発揮せずに、ただトランプ大統領に寄り添っている。第2次世界大戦を始めたヒトラーのドイツと組んで三国同盟を結び、破局へ導いた時代が脳裏に浮かびます」

 ――野党やマスコミは「大義なき選挙」と批判しています。

 「そうとばかりはいえないでしょう。大げさに言えば、日本の選挙ではありますが、トランプさんがやっている力の誇示と威迫の手法を信認するか、しないかを問う選挙にもなるのです。安倍さんが国難突破と位置づけたことで、そのパートナーであるトランプさんと合わせて、平和を維持するために動くか、逆に制裁をさらに強めることを支持するのか、期せずしてそうした大問題を問い直す選挙になったと思います」

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