夜中に一度、トイレで寝ているソラを確認すると、ゆっくり呼吸していた。
4時前に起床してソラを見ると、寝ている場所が変わっていて、抱き上げて段ボールベッドに移す。
何度か痙攣をしつつも、声を掛けると一度だけ頭を持ち上げたけど、その後は昏睡状態になり、8時48分にソラが旅立った。
享年12歳。

高師緑地公園に捨てられ(兄妹の3匹と他に4匹居た)、人懐っこさが災いして心無い人から虐待を受け、体2カ所と喉の皮をむしられて傷痕が剥げてしまった保護猫で、ハーツさんのTNR のリリースが出来ず、里親を申し出た経由で我が家の家族になったのは、2012年秋(1歳過ぎ)のこと。
ソラと名付けたのは目が青いからで、母性愛が強く、保護した子猫たちの母親代わりになってくれたし、お客さんが来ると必ず膝に乗るフレンドリーでチャーミングな猫だった。
ボス猫ミミに遠慮して、私の膝には乗らなかったけど、電話をしてる時だけ、なぜか膝に乗るのだった。

ミミに遠慮してたソラも、シリンジで給餌するようになったからは、私の膝に乗ってくることが多かったけど、ミミのように長い時間ではなく、じきに下へ降りて落ち着く場所を探していた。
いろんな場所で寝る猫でもあった。


闘病経過のまとめ

記:7月1日

2週間ほど前にソラが体調を崩し、丸2日ご飯を食べなくて、げっそり痩せてしまった。
口の中を見ると、下の牙歯2本が無い!
歯肉炎かなにかで、歯が痛くて食べられなかったのかもしれないと思い、3日目からチュールを口にするようになったので、ソラだけはチュールを主食にして食べさせ、回復の兆しが見えてからは、、朝・昼・晩をウェットフードに切り替えた。
最近は食欲も増して、ドライフードも口にするようになり、足取りも元気が戻った。

ただ、4.5日前から右耳下辺りを搔き過ぎて、その跡から血が滲んでいる。
もともとアトピー体質で、いつもどこかを舐めていて、そこが剥げていたけど、体調を悪くした頃から、私のベッドの下で寝るようになったので、ダニも原因かもしれないと思い、シャンプーをしたあと、いつもの居場所に防虫剤を散布し、その上に布団代わりの和紙を敷いておいた。

そして、昨日は病院へ連れて行った。
使い古しのバスタオルを敷いた大きな籠に入れて車へ運んでも、鳴かず、暴れずのおとなしいソラなのが助かる。
診療時間前に受付し、40分ほど待って順番が来た。
診断はやはりアトピーで、原因となるものを探すのは難しいとのこと。
痒み止めと抗生物質の注射をしてもらい、2週間後も痒がるようなら再診となった。

 

記:7月12日

ソラの右耳下に、描き過ぎて大きな瘡蓋ができている。
傷の治りかけは痒いからか、後ろ足の爪で搔くので、いつまでたっても治らない。
それで、エリザベスカラーがあったのを思い出して、ご飯が食べられるサイズにカットして首に付けたのが昨日。
痒さが抑えられずに、何度もカラーを搔く音がうるさくて、睡眠を妨げられたけど、しばらく我慢してもらって治そうと思ったら、エリザベスカラーのサイズが小さかったのか、カラー越しに搔いて、大きな瘡蓋が取れてしまった。
首の方は、襟巻をしているので治りかけてはいるけど、耳下は、またジュクジュクの状態になってしまった。
あすまた病院で痒み止めの処置をしてもらうけど、ひょっとしてウエットフードが原因の一つかもしれないので、しばらくドライフードだけにして、様子を見ることにした。

 

記:7月15日

ソラは、体調を悪くした時から、湿疹の手入れも含めて丁寧にする。
エリザベスカラーのおかげで、首周りはきれいに治ったけど、右耳の方は、足が届いて搔くので、やっと半分治った状態。
そして、いまだに水を飲めなくて、うがい状態なので、一日に何度か水を飲ませている。

 

記:7月18日

昨日の最高気温は35℃!
そんな中を、猫友さんの来客有り。ソラの健康状態が良くなくて、アドバイスをいただく。
先週に2回目のかゆみ止め注射をしてもらったけど、右耳から首にかけて搔いた傷が、いつまでも治らないのと、ひたすら水を飲むが、水を飲むのは注射の後遺症なのか、ひょっとしたら腎機能も良くないのかもしれないという。
また、右首に大きなシコリが出来ているのにも気が付いた。リンパが腫れてるのか、はたまた腫瘍か・・・
こんな暑さだから、少し様子を見て、また病院へ行くことになりそう。

 

記:8月7日

6月中旬頃に下の歯2本が抜けて、その痛みで2日間、餌を食べず、3日目から食欲が戻ったものの、右耳と首をかきむしって傷をつくり、瘡蓋が取れるころにまた搔くので、いつまでたっても治らず、某動物病院で痒み止めと抗生物質の注射の治療を2週間ごとに2回。
2回目の治療が過ぎたころに、首の右が大きく腫れているのに気が付いた。歯周病菌がリンパに入ったのかと思ったが、その後も腫れは引かず。


(2023.7.23 撮影)

8月に入ってまた2日間食欲無し。(この時は風邪をひいて、右側の鼻水と目やにが酷かった)
水が飲めないだけでなく、ウェットフードもシリンジで与える状態が続いたので、思い切って違う動物病院で診察を受けた。
血液検査とエコーにての診断で、「外部検査に出さないと、はっきりしないが、たぶん甲状腺の腫瘍(痩せていく症状)だろう」と。
もしそうだとすると、手術するには難しい場所で、ホルモン治療になり、それでも腫れ自体は引かない場合もあるとのこと。

だとすると、餌や水が呑み込めないのは変わらないのかもしれないし、そもそも、甲状腺だとすると、痒み止めの治療(ステロイドホルモン)が発端かもで、次のホルモン治療でも、また違う症状(後遺症)が出る可能性だって否めない。
結果が出るまでの1週間で、ソラの様子を見ながら、どこまで治療を受けるか考えることにした。

体力が落ちているので、点滴をお願いすると、それプラス抗生物質の注射も受けて、約1時間の診療を終えた。
そして会計は・・・想定以上に高くて、思わず「えっ!」と顔が反応す (^^);
検査が2つだし、保険も加入してないしね。

エリザベスカラーをしていたおかげで、右耳下も首も、きれいに傷が治ったソラは、8月から右前脚の内側を舐めだして禿げてしまい、皮膚もただれてきたので、私のソックス(麻素材で高かったのだ)を利用したサポーターで保護している。
食欲が戻って、餌を催促するようになり、食べやすいチュールを少しずつ小皿に入れて、舐め終わるのを待ってから継ぎ足すと、うがい状態(腫瘍が右側の顎の動きにも影響してる)にならなず、この方法なら自分で食べられる。

自己主張の強いミミ、甘えん坊のチャイ、引き籠りながらも甘え方を知らず鳴き通しのハナ、それらのことに我関せずと言いつつもミミには甘えるメグ。
そんな中で、自己主張をせず、うるさく鳴きもせず、自分の傍に来たメグをグルーミングし、ボス猫のミミに遠慮して私の膝に乗ることもなく、来客だけには甘えて膝に乗る、手のかからないソラは今、病院での治療を受けたことがきっかけで、食事・水・排泄と、体を清潔に保つための手入れなどに、いちばん手を掛けている。

 

記:8月18日

動物病院を変えてから3回目の診察に、ソラを連れて行った。
先日の検査で診断された甲状腺がんの治療についての詳細を聴きながら、10日前は2.4キロだった体重が、今回は1.5キロちょっとになっていて、抗がん剤治療には耐えられないだろうけど、食べる意欲には出来ることをしたいと、飼い主としての希望を伝えた。

水もチュールもうまく呑み込めなくなっていても、水のボウルには行くし、ご飯も要求する。水で溶かしたチュールでは心もとないので、高栄養の液状食を出してもらい、受け付ける間はシリンジで与えることにした。
月曜日に続いて、今日も点滴をしてもらい、帰宅。

もともとソラは大人しくて、ほとんど鳴かない猫だったけど、今は声が出なくなっている。
ちょっと前まで椅子に乗れたし、膝にも乗ってきたけど、いまはもう体力が無くて、玄関かトイレで過ごし、思いついたように餌場に来る。
そろそろ猫トイレも跨げなくなってか、その横で臭いのないお小水をしてることがある。水のようだから、気が付かずに踏んでしまった。
今日はペットショップで、大判のトイレシートを購入し、猫トイレ周りに敷いておいた。

 

記:8月21日

2日前のソラ。


夜はトイレの隅で寝ることの多いソラが、今朝はそこでおしっこをしていた。
夜中に排便をしていても、もう歩く力が無かったのか、横になっている状態でしたようで下半身が濡れている。
ほぼ水のようなので、猫特有の臭いは無いが、体を洗ってタオルドライのあとオムツをあてがい、バスタオルを敷いた段ボールにいれた。

いつもだと嫌がって、すぐ出てしまうのに、なすがまま。
病院で処方された高栄養の液状フードは、冷蔵庫保存でも48時間しか持たなくて、ほとんどを捨てることになったので、緩めたチュール4ccほどを2回に分けてシリンジで飲ます。

しばらくすると箱から出て、水を、そのあとドライフードにも口を付ける。
食べにくそうだし、胃に入ってるのか分からないけど、食欲はまだあるようなので、小皿にチュールを少しだけ入れて出したら、それも食べた。
そして、段ボールベッドに、自ら飛び込んだが、すぐにまた飛び出して餌場に・・・

11年前に高師緑地公園で保護され、里親を名乗り出て2か月後に引き取ったソラは、ひもじい時期を過ごしたからか、ひんぱんに餌を食べるタイプの猫で、体のわりに量を食べる。
食欲があるのは、生きる力があるということかもしれない。
もう歩くエネルギーが無いと思ったら、スタコラと本棚の下へ歩いていくではないか。そして、オムツを外そうとしている。

もし私が、ステージ4とか5の癌だったら、手術などの治療ではなく、代替治療(食事療法が主)などを試しながら、その時を迎えるだろう。
ソラに置き換えると、代替治療にあたるものが思い浮かばないが、食欲があるうちは満たそうと思う。

午後3時ごろに箱ベッドから出たソラは、後ろ脚の動きが悪く、よろけてしまった。
お昼もだけど、この時も水分補給を試みたが、朝のように受け入れず、顔をそむけてしまう。

夕方、いつものオカカにウェットフードのご飯を待つミミとチャイ、住処から鳴いて要求するハナ、昨日まではソラも待機してたのに、ベッドの下から出てこない。
水だけシリンジで飲まそうとするが、辛そうなのでやめた。
オムツを外すと、1回分のおしっこをしていた。取り替えてから段ボールベッドに寝かせたが、もう動けなくなっているし、瞬きもせず目を見開いたままで、ひょっとして意識が遠のき始めてるかもしれない。
朝の、あの元気はなんだったんだろう。

今夜がお別れになるのかもと覚悟してたけど、夜8時過ぎに、段ボールベッドから出て、いつものトイレへヨロヨロと歩いて行く。
寝場所はトイレ(非常灯代わりに暗い電灯を点けっぱなしにしている)と決めてるのかも。

それにしても、ぐったりしてるかと思えば、いつもの場所へ自力で行こうとするエネルギーに、泣いたりホッとしたり。
寝ているソラの近くに水の入ったボウルを置いておいた。
 

記:8月22日

夜中に一度、トイレで寝ているソラを確認すると、ゆっくり呼吸していた。
4時前に起床してソラを見ると、寝ている場所が変わっていて、抱き上げて段ボールベッドに移す。
何度か痙攣をしつつも、声を掛けると一度だけ頭を持ち上げたけど、その後は昏睡状態になり、8時48分にソラが旅立った。
享年12歳


在りし日のソラ


2012年(1歳) 我が家にやってきた日のソラ


2014年(3歳)


2015年(4歳)


2017年(6歳)


2022年(11歳) 甘えん坊のメグと一緒のことが多かった


2023年3月(12歳) 左からソラ・メグ・ミミ・チャイ


2023年6月(12歳) 体調を崩す前のソラとチャイ